強迫性障害(強迫神経症)は次のような症状がよく知られています。
★手が汚れていると思い込むために洗うのを止められない
★戸締りが気になって何度も確認し、なかなか外出できない。
★ガスの線を閉めたかどうか気になって安眠できない。
最近の流行では「スマホやLINE・ゲームがやめられない」でしょうか。
このような行動が度を越えしまい、日常生活に支障をきたしているのが強迫性障害です。強迫性障害は不合理な
行為や思考を自分の意に反して反復してしまう精神疾患の一種で、強迫神経症とも呼ばれます。同じ行為を繰り
返してしまう「強迫行為」と、同じ思考を繰り返してしまう「強迫観念からなり、両方が存在しない場合は強迫
性障害とは診断されません。また、脳疾患や解離性障害など別の病気により強迫症状があらわれる場合もは強迫
性障害とは認められません。強迫症状はストレスにより悪化する傾向にあります。
強迫観念とは、本人の意思と無関係に頭に浮かぶ不快感や不安感を生じさせる観念を指します。強迫観念そのも
のは健常者にも見られるものですが、健常者がそれを大して気にせずにいられるのに対し、強迫性障害の方の場
合はこれが強く感じられたり長く続くために、かなり強い苦痛を感じることになります。ただし、単語や数字の
ようにそれ自体にはあまり意味の無いものがしつこく脳内にテレポートしてくる感覚が特徴とされています。強
迫観念や強迫行為の内容にはさまざまなものがあります。
強迫性障害は次のような症状がみられます。
・敵意や衝動に関するもの:誤って他人を傷つけたり殺してしまったりしそうだ(殺してしまったのでは)と
いう空想(妄想)。
・不潔や汚れに関するもの:原発・ばい菌・糞尿などで汚染されたのではないかという不潔恐怖と、そのため
人に近づけない、物に触れないなどの回避行動、触ったあとに何度も手を洗う強迫行為(洗浄強迫)や原発エ
リアを回避してしまう行動。
・詮索癖:些細なことの理由などをしつこく詮索し、時には質問し、納得ができるまで解消しない。
・疑惑癖:完全な行為などあり得ないにもかかわらず、自分のしたことが完全だったかどうかいつもず疑惑が
生じて何度も確かめないと気がすまない(確認強迫)。
・計算癖:数や回数が気になって、数えないと気がすまない 。ゲームなどでも同様のケースがあり、何面ク
リアしたか・レベル〇まで進んだのかという些細なことがいつも気になります。
これらの点を自分で確認するだけでは安心できず、家族や恋人に何度も確認させ、その保証を求める「巻き込み型」(他人を巻き込むという意味)といわれるタイプもあり、重症の患者さんに多くみられます。
この症状もカウンセリングや認知行動療法単独では難しく、抗うつ薬などと併用されるケースが多くなっていま
すが、山手心理では発達障害との関連が見られる方も多くお見えです。改善に要する期間はそれぞれですが、発
達障害が並存する場合は期間が長くなります。改善にはご家族の協力があるとベターです。