依存症(addiction)は山手心理のカウンセリングとSSTで回復・改善しましょう。このページで
は、特に対人・行為依存についてご説明させていただきます。
依存症の方のつらさを軽減するためにということで、カウンセラーさんたちの中には
「依存する時間が長ければ状態は悪くなり、改善にも時間がかかります」
「依存症の方を中心に、超短期解決するお手伝いをさせていただいています」
「改善には今まで生きてきた年月と同じぐらいの時間が必要です」
とお伝えになっている方も多いそうです。残念ながら、どの説明もあまり的を得ていないように感じます。
依存症は英語表記ではaddiction(アディクション)またはdependenceとなりますが、どちらも、「自分にとって
不利益・不都合だと分かっていても、ある特定の行為をやめられない状態」のことを指します。人間は、本来「他
者を頼る」ことで成長してきました。大昔なら「狩り」の際に大勢で組んだ方が獲物を捕獲しやすかったでしょう
し、江戸時代なら「士農工商」などの身分制度や家族制などさまざまな法律によって「相互依存」というシステム
が構築されました。もっとも、これらは「こころの問題」というより政治的な面が大きいのは言うまでもありませ
ん。
ですので、誰でもある程度他人(または何か)に依存することは当然ですし、またこころの健康上必要だったかも
しれないのです。
ではなぜ「依存症」がこころの問題なのかといえば、セルフコントロールできない程の依存が、その人自身または
家族・恋人・職場の同僚などに精神的、身体的、社会的な問題を引き起こすことにつながるためです。
依存症の改善メソッド
依存症と発達障害の関係については、アダルトチルドレンのパートを参考にしていただければありがたいのですが、
まず、『両親のうちどちらか・または双方がアルコール依存症』というケースを考えてみましょう。
これがアメリカで生まれた、アダルトチルドレンのもともとの定義です。アルコール依存はさまざまな理由で
発生しますが、多くの場合に発達障害(主としてADHD)が絡んでいます。発達障害が多因子遺伝であることは
何度か述べいていますが、発達障害の親から生まれた子供が生まれつき
A発達障害者
B健常者
の場合を考えてみると
Aは親からの遺伝子が発芽してしまっています。ですから親と同様「発達障害」ということになります。
対してBの場合はというと、健常者であっても親から社会的スキルは教えてもらえないので、その時点では単
なる「アダルトチルドレン」ということになります。
しかし、何らかの事情で発芽していないとはいえ、発達障害の因子を持っていますから、ストレスなどでうつ
になったりすると、やはりアルコールなどに依存してしまうこともあります。この場合は「アダルトチルドレ
ン+依存症」ということになります。(医学的な病名ではありません)
このように考えれば、アダルトチルドレンと発達障害の間にはほとんど差がないとなります。したがって、依
存症についても、「発達障害の方が苦手とする項目のうち、一部(または全部)の能力がかなり弱い方」とい
う考えが成立すると思います。
発達障害を理解できないカウンセラーの多くは、ヨガやスピリチュアル・退行催眠あるいは瞑想などのマイン
ドフルネス療法などに逃げ込もうとしますが、脳機能の改善には「効果がない」のがご理解いただけると思い
ます。
実際、さまざまな治療法を試してみたけどなかなか回復しないという方も多いようです。もちろん、当相談室
の手法がすべての方に効果があるわけではありません。むしろスピリチュアルに縋るしかない方もいらっしゃ
るのが現実です。ただ、このような手法を試すことなく、「神の世界」に逃避するのではもはやカウンセリン
グとは呼べませんね。「オレは織田信長の生まれ変わりだから、現世ではこれでOK」なんて。(笑)
山手心理では、次のような手順でカウンセリング・SSTを進めていきます。
★まず、カウンセリングでクライエントさんのいろいろなお話をお伺いします。
★同時に、依存してしまう理由について判断させていただきます。
★考え方の「クセ」をお伝えし、その上でクライエントさんの苦手な部分をご説明します。
カウンセリングにお越しいただく間隔にもよりますが、通常、早い方の場合は半年程度で回復を実感できるよ
うになってきます。
(回復期間は人それぞれです。あくまで「早い方」ということになります。また発達障害が関係する場合は相
当長期にわたるトレーニングが必要です。)
半年という期間が明示できるのは、実際に山手心理で依存症から回復された方が多くなってきたという実績が
あるからです。ただし、一般的なアダルトチルドレンよりは時間が必要ですし、継続行動が苦手というのが依
存症の特徴でもありますから、効果を上げている方の場合はご家族同伴が多いです。
ところが、実際には子供の頃に染み付いた心的外傷や人格は、簡単に改善できるものではありません。こころ
の傷はカウンセリングや認知療法・催眠療法・医療によって回復しなければなりませんし、得ることができな
かったスキル(特にコミュニケーションや社会性)はSSTで基礎から構築する必要があります。
回復への道は、かなり困難なように思えますが、発達障害や神経・脳の疾病が絡んでいなければ、努力に応じ
て失われたものが伸びてきます。決して不可能な事ではありません。
依存症の改善には意思の強さも重要ではありますが、上記の通りカウンセラーとの二人三脚によって日々改善
を行い、ご家族の援助も受けながら継続していくことが必要になります。ご自身が、また身近な人が依存症で
はないかと感じたら、どうぞお気軽にお越しください。
依存症という名称にとらわれると問題の本質が見えなくなります。 生育歴と性格傾向から発生するころの問題
とスキルロスを同時に改善し、自分を取り戻すこと。そして今からの人生に前向きに対応できるよう、一緒に
頑張りましょう。