「カサンドラ症候群」と聞いて「ああ、これか」と即反応できる方は、よほど時事ニュースに詳しい方か、
あるいはこの症状(状況)にお悩みの方ではないでしょうか。あるいは、年配の方なら1970年代に公開
されたイタリア・ イギリス・西ドイツ合作のサスペンス映画「カサンドラ・クロス」を思い浮かべる方がい
らっしゃるかもしれません。
カサンドラ症候群とは、正式な病気の名前ではなく、
アスペルガー症候群のパートナー等と感情的な会話
ができないためにうまく家族としてやっていけない(相互関係が築けない)ために相手方に生じる身体的あ
るいは精神的症状を表すものとされています。
(一般的にはアスペルガー限定のように使われていますが、このサイトではアスペルガーに似た症状という
ことで使用していきます。理由はアスペルガー関連ページをご覧ください)
アスペルガー症候群等のパートナーを持つ方は、相手とのコミュニケーション(特に感情的な)がうまくと
れずに、夫婦生活に自信が持てず、また世間的にはまだまだアスペルガーや発達障害の方に関する理解が低
いために、両親などに苦痛を訴えても「あなたがうまく気配りすれば」などといわれてしまいます。
どれほど苦しんでいるかさえわかってもらえないことで、自信を失い精神・身体的バランスを崩していきま
す。世間的には問題なく見える程度のアスペルガーさんは外から見ると「いい人・温厚な人」に見えますか
ら、不満を口にしても、人々から信じてもらえない場合が多くなります。
<症状>偏頭痛・体重の増加または減少、自己評価の低下、パニック障害、抑うつ、無気力など。
人間は、一般的にお金儲けや教育・自宅新築などの物理的環境のほかに感情的な行動を必要としていて、
その感情活動の結果、幸せという感覚が広がっていきます。しかし、アスペルガー等の方にとっては感情的
なものはむしろ人生に不要とさえ考える方が多く、パートナーが日常生活で幸福を見つけることが難しくな
ります。この結果不倫や浮気が発生するケースもあり、対応は難しいところです。
山手心理相談室にはカサンドラ症候群の方が多くお見えです。親戚さえわかってくれないとお悩みの方は、
ぜひ一度お越しください。