アダルトチルドレンにはさまざまな成育歴がありますが、スケープゴートもその一つです。いけにえ・身代わりなどとも呼ばれます。
アダルトチルドレンには多くのパターンがありますが、ダメージが大きいのがこのタイプです。代表的な例としては近親相姦・少女期妊娠・飢餓・家からの追放などがあります。家の中で助けを求めても、まったく反応がないどころか、かえって暴力行為を受けることも多いです。
少年少女期は、本来「楽しさ」を受け取ることで成長します。その時期に上記のような不条理行為を受けた場合、家を出ることもできないまま、ひたすらガマンするか、あるいは非行に走るしか方法が見いだせないと思います。
そのような方が成人してから「自分を変えたい」とカウンセリングを受ける際に、
「あなたはひとりぼっちじゃないんだよ」
「もう家族の犠牲にならなくて構わないんだよ」
と声掛けするカウンセラーは多いと思いますが、では実際にはどうすれば改善できるのでしょうか。ミュゼ山手心理相談室では、脳疾患や境界性パーソナリティ障害等でなければ、SSTによって「基本的な生き方」を改善するようにしています。
発達障害と見分けがつきにくいのもこの症状の特徴です。幼いころのことがあまりに悲惨なため、虐待の事実を覚えていないこともあります。ありすぎて日常生活の中に組み込まれているのでしょう。
当然ですが、スキル的にも問題のある部分が大きくなります。スケープゴートにされた方にとって、失った時間は多いですが、人生には「未来」しか存在しません。一緒に「楽しく生きる」方法を考えていきましょう。