テレビや映画の画面を見ていると、人の動きに合わせてスピーカーが「声」や「音」を出しています。ところが、
画面を見ている私たちには、なぜか人が話していたり、音楽なども画面にある楽器が奏でているように思いませ
んか。
だとすると、どうして話したり、歌っているように聞こえるのでしょうか。
スピーカーが音を発生させているのは理解していても、なお人間は登場人物が歌っているように「錯覚」してい
るというのが真相です。
このように、視覚と聴覚の空間認知が一致しない時、脳は視覚情報を優先するシステムを持っています。その錯
覚を利用したものに腹話術があります。
発達障害の方の多くは聴覚情報を認知することが苦手。(ごく少数の方は天才的な音感をお持ちです)というの
も、視覚の情報は視神経を通じて大脳と直接つながっていますが、視神経と嗅神経以外はすべていったん脳幹に
入った後に大脳が認識するというシステムになるためです。
脳内の一部に障害がある発達障害の方にとって、現段階では解明されてはいませんが、一般の方より耳から入っ
た情報の処理が遅れたり、迷走したりすることはありえる話でしょう。視覚情報が優先するというよりは、聴覚
などからの情報が入りにくいということになります。
ミュゼでは、この点を重視してスキルトレーニングを行っています。ひとりひとり違う特徴を把握し、
強い部分を強化して生きやすくしていきましょう。